こんにちは、河原@kawaiti です。
先日、デジタル庁準備室にお邪魔し、自然言語処理AIで何かお手伝いできないかお話をさせていただきました。
デジタル庁準備室では、デジタル庁で取り組むべき課題を検討するにあたって、デジタル改革アイデアボックスを立ち上げ、皆様のご意見を集める活動をしています。
デジタル庁への期待が高いため、多くの人からたくさんのご意見が寄せられているのですが、マンパワーが足りずご意見をまとめきれないという課題が発生していました。
そこで、YOSHINAを使い、多数寄せられているご意見をテキストデータ分析し、ご意見のカテゴライズや深堀を行ってみました。
デジタル改革アイデアボックスには、10/14時点で1400件のアイデアが集まっていました。 今回は、この1400件のアイデアを対象にしてテキストデータ分析を行いました。
寄せられたアイデアの内容から、AIで話題別に10個のカテゴリに分割してみました。 今回、1400件のアイデアを1分弱で10個のカテゴリに分けることができました。
「よくあるワード」は、カテゴリに多く含まれている代表的なキーワードと、関連性の深いキーワードが表示されます。
「注目ワード」は、カテゴリの中で特に注目すべきキーワードがピックアップされています。
各カテゴリをクリックすると、カテゴリの詳細な情報を確認することができます。
今回の分析では、各カテゴリの「よくあるワード」と「注目ワード」を確認し、どのようなアイデアのカテゴリがあるのか概要を把握し、カテゴリ内の具体的なアイデアを確認しながら分析をしています。
まずは、1番件数の多いカテゴリ9を見てみます。
カテゴリ9の「よくあるワード」を見ると、マイナンバーの利用方法についてのアイデアのようです。
詳細を確認してみると、「よくあるワード」には、マイナンバーや住民票、戸籍謄本、運転免許証といったキーワードが並んでいます。
マイナンバーについて言及しているアイデアを確認すると、「身分証明書をマイナンバーカードに一元化してほしい」や「写真付きマイナンバーカードで本人確認できるので使えるようにしてほしい」、「マイナンバーカードと運転免許証を統合してほしい」、「マイナンバーカードを戸籍謄本や住民票の代わりに本人認証に使えるようにしてほしい」といったアイディアが寄せられています。
そのため、このカテゴリを「マイナンバーカードで個人認証」と名前を付けました。
AIが自動分類しているため、違うアイデア(1件目の自治体の行政サービスをデジタル化してほしいというアイデア)が混じってしまっていますが、概ねの傾向と内容は把握できます。
このように各カテゴリを見ていき、カテゴリに名前を付けて傾向を把握し、話題ごとの概要を資料にまとめました。

ところで、各カテゴリの「よくあるワード」を見ると、「マイナンバー」と「スマホ」に関するアイデアが多そうです。
YOSHINAでは、指定したキーワードを含むデータに絞り込んだり、特定のカテゴリに分類されたデータのみに絞り込んで深掘りして分析していくことが簡単にできます。
今回は、「マイナンバー」か「スマホ」のキーワードを含むアイデアに絞り込んで深掘り分析を実施してみました。
「マイナンバー」のキーワードを含むアイデアは10分割、「スマホ」のキーワードを含むアイデアは5分割にしてみました。
それぞれ同じように各カテゴリの詳細を確認し、カテゴリの名前を付けて、注目アイデアをピックアップしてみました。


今回は、YOSHINAを使ってデジタル改革アイデアボックスに寄せられた多数のアイデアを分析させていただきました。
このような多数の意見やアイデアをまとめるのは非常に大変で時間のかかる作業になりますが、AIの力を使うと大幅に手間を減らすことができます。
これによって、皆様のアイデアをより早く行政に反映させることができ、ますます多くのアイデアをいただけるような良いスパイラルが生まれればと思っています。
また、一般企業でも、お客様のご意見を取り入れ、より良い製品やサービスを生み出す仕組みとして、テキストデータ分析YOSHINAが活用されるようになればと思っています。