コールセンターの会話音声テキストからFAQを作成してみました!

こんにちは、製品企画部の水田です。

分析AI「YOSHINA」が販売されてから、早くも半年が経とうとしていますが、ありがたいことに、すでに30社以上のお客様にYOSHINAを検証して頂いております。

色々なお客様にYOSHINAに対する期待を伺ったところ、FAQの作成をするために分析を行いたい!といったご要望が多かったので、今回は家電メーカーを想定した会話音声データのサンプルを使い、YOSHINAでHPにある「よくあるお問い合わせページ」のFAQを作成する流れをご紹介したいと思います。

①会話データ特徴

今回の分析対象データはお客様の生の声が入った音声テキストデータになります。 分析対象データの特徴は以下になります。

分析対象:音声認識結果の会話音声テキスト
会話内容:掃除機/洗濯機についてのお問い合わせや修理相談・申込等の受電対応
件数:564件

②YOSHINAの使い方

YOSHINAは3ステップで結果を出すことができます。しかも、今回結果を出すのにかかった処理時間はたった2分です!

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※表示されている処理時間はサンプルデータの処理にかかった時間であり、登録データの件数、文字数などにより、処理時間は異なります。

③YOSHINAの分析結果からFAQの探し方

分析結果からFAQ作成をするのも3ステップです。

  1. 分割された話題を把握
  2. 注目ワードの特徴的な単語からFAQのネタになる会話の発見
  3. FAQ作成

1.分割された話題を把握

まずは分割されたカテゴリ(話題)の把握から実施していきます。 カテゴリを把握するためには、よくあるワードを使います。

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よくあるワードとは、カテゴリ(話題)ごとによく出てくるキーワードの組み合わせになります。 そのため、よくあるワードを確認することでYOSHINAが分類した話題の把握ができるのです。 分類カテゴリ1をみてみると「掃除機」「何」「におい」「する」という言葉が頻繁に表れているようなので、掃除機から何かにおいがして問い合わせしたと想定できます。 よって、分類カテゴリ1は「掃除機から何かにおいがする話題」と推測できます。

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分類カテゴリの把握ができたら、そのカテゴリに存在する特徴的な単語が含まれている、注目ワードを使い、特徴的な会話を探していきましょう!

2.注目ワードの特徴的な単語からFAQのネタになる会話の発見

注目ワードとは、そのカテゴリ(話題)特有のキーワードになります。 注目ワードを使い、分類カテゴリ1(掃除機から何かにおいがする話題)から特徴的な会話を見つけていきます!

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「臭い」「発生」についてはよくあるワードで解釈した内容と同義なので、よくあるワードにないキーワードから確認していきます!そうするとごみという単語が出てきたので、今回は「ごみ」に絞って深堀分析をしていきます。

「ゴミ」という単語が含まれる会話に絞り込み、文書プレビューで見てみると、以下のような会話が見つかりました。

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会話内容を要約すると、 問合せ内容は、

  • 部品の保有期限(=「保証期限」と解釈)は何年か?
  • 掃除機から嫌な臭いがするが大丈夫か?

対するオペレータは、

  • ゴムのような臭いが発生しているか?
  • ホースノズルから臭いが発生しているか?

と切り分けを実施し、

  • 掃除機で吸い込んだごみの臭いが漏れている可能性がある
  • ダストボックスの交換パックにゴミが詰まっている可能性がある
  • 掃除機本体にごみの臭いがついてしまっている可能性がある
  • 交換パックの掃除や、定期的なお手入れを実施

いただくよう回答しています。

これから問合せ内容をFAQに反映させていきます!

3.FAQ作成

今回はHP上にある「よくあるお問い合わせページ」への掲載を想定してFAQ作成を進めていきます。 FAQ作成する際に確認することは大きく3つあります。

Ⅰ.よくあるお問合せに掲載できていない情報ではないか?
Ⅱ.本来お問い合わせしなくても解決できる内容なのに、情報が古い/わかりやすく掲載されていない、またお客様の検索キーワードと異なる文言で掲載されているため自己解決できないのではないか?
Ⅲ.コールセンターにお問い合わせをしないと解決しないといけない問題であるが、適切なお問い合わせ先に誘導できていないのではないか?

今回は1~3の3つのケースを想定して改善策を作ってみました。

Ⅰ.よくあるお問合せに掲載できていない のケースだった場合
  • 「掃除機から変なにおいがする場合、どうしたらよいですか?」のQuestionとAnswerをよくある問い合わせに追加

⇒まずはお客様自身で調べてもらえるようにする

Ⅱ.自己解決できない のケースだった場合

既存Questionが「掃除機は無臭ですか?」というQuestionしかない場合、

  • 「掃除機から変な臭いがする場合、どうしたらよいですか?」というQuestionに修正
  • 「初期開封時はゴムのにおいがする場合がございますが、時間の経過と共に臭いはなくなりますのでご安心ください。」というAnswerを追加

⇒Questionで「臭い」で検索してもヒットしないケースや、お問合せいただかなくても問題ない事象の場合、お問合せ頂かなくてもよいようにする

Ⅲ.適切なお問い合わせ先に誘導できていない のケースだった場合
  • 「ゴミのにおいがする場合は、ダストボックス内を掃除し、においが改善されるかお試しください。改善されない場合はダストボックスの交換の必要可能性があります。交換専用窓口へお問合せください。」というAnswerを追加

⇒事象の切り分けをお客様自身でしていただき、問合せの手間を減らせるようにする

YOSHINAで話題把握を行い、特徴的な会話を見つけることで上記のようにFAQを充実さたり、改善することができます。

また、仮に上記会話の切り分け内容である、「初期開封時にどうしてもゴムのにおいが発生してしまうが特に問題ない。」という切り分けがトークスクリプトに存在せず、担当者の過去の経験による回答をしている場合は、トークスクリプトに反映する、といった改善にも活用可能です。

まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございました。
YOSHINAを使ったFAQ作成までの分析はいかがだったでしょうか?ご自身でも改善できるイメージが湧きましたでしょうか?

YOSHINAではFAQ作成などのサービス改善のための分析業務をサポートします。 YOSHINAについて詳しく知りたい、YOSHINAを使ってFAQ作成ができるか試したいなどお気軽にご相談頂ければと思います。お問合せをお待ちしております。

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