顧客ロイヤルティ爆上がり!?NPSアンケートのフリーテキスト活用のスゝメ

こんにちは、レトリバ営業の板谷です。そして釣りっぽいタイトルでスミマセン。

先日「NPS向上のためのテキスト活用」というテーマのウェビナーをして以来、
大変ありがたいことにご相談案件が増えて喜んでいたのですが、
毎回同じ説明するのは面倒なのでそこまで求めていただけるのであればいっそブログにしてより多くの方に見てもらおうと思い、久しぶりに筆を執ります。

NPSとは?

この記事を読まれている方には釈迦に説法とは思いますが、前提をそろえるためにNPSとは?からいきます。(不要な方は読み飛ばしてください)

  • ネット・プロモーター・スコアの略
  • 顧客ロイヤルティ、顧客の継続利用意向を知るための指標
  • ベイン・アンド・カンパニー社のフレッド・ライクヘルド氏が2003年に提唱
  • 「事業成長と相関がある唯一の指標」とも言われています。

ちょっと乱暴かもしれませんが、要するに
NPSが高まれば売上も上がる。NPSが低ければ売上も下がる
というステキ指標で、国内外で多くの事例が公開されています。

また計測方法がシンプルな点も素晴らしいです。

1.顧客に対して「あなたはこの企業のサービスを親しい知人に薦める可能性はどのくらいありますか?」という質問を投げかけ、0点から10点の11段階で回答してもらう。

2.回答された点数に応じて、回答者を推奨・中立・批判の3つの区分に分ける

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推奨区分

3.NPSを計算する
【推奨者の割合】-【批判者の割合】をするとNPSが算出できます。
例えば100人中、推奨者が30人、批判者が45人の場合のNPSは30-45=「-15」となります。
※ちなみに日本人の場合は中央の5や6を選ぶ傾向が強いようで批判者の比率が増えるため国内向けサービスの各業界の平均値は、ほぼマイナスになるようです。
なので、「うちのサービスはマイナスなんかーい!!!ぴえん」などと悲観する必要はなく、あくまでもバロメータとして相対的に捉えることが肝要と言われています。

NPS実施上のよく聞く問題と原因

そんなステキ指標のNPSなので日本でも導入が進んでいるようです。
一方で、当社にも以下のようなご相談が増えてきました。

・やっているけど成果(NPS向上)につながらない🥺
・NPSアンケートをとるだけで改善施策につながらない🥺
・推奨度が上がったけど、なぜ上がったのかがわからない🥺

お悩みポイントに多少の差はあれど、要は
取り組んでいるのにうまく改善サイクルが回っていないという問題で、原因はズバリ推奨度に影響する具体的な顧客体験が見えていないためです。

(イメージ)

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うまくいかない原因

逆に言えば「こういう顧客体験があると、推奨度が上がる/下がる」という”ルール”がわかればよいという事でもあります。
では、どうすればその”ルール”がわかるのか?を次項で説明していきます。

解決のヒントはテキストにあり?

「こういう顧客体験があると、推奨度が上がる/下がる」というルールを知るために大きなヒントになるのがフリーテキストの部分です。
※推奨度(11段階)の設問のあとの、「その点数をつけた理由をお答えください」といった
フリーテキストの設問の回答を利用します。

テキストには推奨度の「理由」が書かれています。(顧客自身がどのような体験をしたのか?)例えば飲食店の場合だと以下のような感じです。

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NPSのテキスト回答のイメージ

気遣い・配慮/喋り方/注文時の返事などの具体的な顧客体験が書かれていることがイメージできると思います。
これらを数え上げて推奨度を掛け合わせると、以下のように可視化できます。
(※一旦全体の流れを説明しますので、数え上げの方法に興味がある方は次項に飛んでください)

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推奨度×顧客体験のバブルチャート

ここまでくれば、”ルール”がおのずと見えてきます。

例の場合だと以下が言えそうです。
・ルール1:気遣い・配慮が効いている体験をすると、推奨度が上がる
・ルール2:喋り方については、推奨度に影響なし(良くも悪くも作用する)
・ルール3:注文時の返事がない体験をすると、推奨度が下がる

このことから、飲食店がとるべき改善施策は、推奨の増加、批判の低減に効く以下2つになります。
1.「気遣い・配慮が効いている」と感じる顧客体験を増やす
※例では「水をつぐ」「好みを覚えている」等の体験を「気遣い・配慮」とひとまとめにしていますが データ量があれば「水をつぐ」「好みを覚える」と具体度を上げて集計したほうが良いと思います。
2.「注文時に返事がない」体験を減らす
※施策としては「注文を復唱して確認を取る」といったオペレーションが考えられると思います。

これで改善施策の立案・実行と進み、その後、改善施策が効いたかどうか?の効果測定ですが、こちらも同様にテキストの数え上げの作業を行い、前回比較を行うだけです。

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集計の前回比較。気遣い・配慮が増えて、注文時の返事無しが減っている

この結果から言えることは
結果:NPSが5ポイント向上した
要因:前回比較から
  「気遣い・配慮」の顧客体験が増加している
  「注文時の返事なし」の顧客体験が低減している
今後の方針:施策を継続または伸長する
といった内容になると思います。

ダラダラと書いてしまったのでここまでの流れをまとめます。
1.テキスト回答について顧客体験の種類ごとに数え上げる
2.クロス集計をする(推奨区分×顧客体験)
3.分析をする(集計結果から推奨者、批判者に特徴的な体験を見つける)

という感じです。

改善サイクルの流れは以上になりますが、あと1点
「大量にあるテキストデータの数え上げをどのように行うのか?」
という問題が残っています。

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大量テキストの数え上げの問題はテキストの量

テキストを数え上げる方法

「テキストの数え上げ」を言い換えると大量のテキストデータの一つ一つにラベル付けをして「何に関する言及が、どのくらいあるのか?」を可視化する作業とも言えます。

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テキストデータを可視化するイメージ

その方法ですが、、、全件読む!(ラベル付けをする)


と冗談っぽく書いてしまいましたが、実際有効です。
ただやったことある方はわかると思いますが結構大変ですよね。
最初は気合いを入れて始めるのですが、進めるうちにバンバン手戻りが発生して終いには心が折れて、視力も落ちます。
翌日気を取り直してEXCELを開くと、ラベルの基準がわからなくなって、ファイルを闇に葬る...という苦い経験をした方も多いのではないでしょうか?

そんな時間取れないよ、もっと効率的にやりたいよ!という方はテキスト解析をお勧めします。
(急に営業臭くなりますが、最後にちょっとだけサービス紹介をさせてください)

分析AI「YOSHINA」のご紹介

分析AI「YOSHINA」は上述のテキストの数え上げを秒で行えます。※秒は嘘ですが、かなりカンタンに行えます。
こんなイメージです。

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YOSHINAを使ったテキスト解析フロー

カンタンにできる理由は3つです
・YOSHINAの中のAIが人に代わってデータ全件をチェック
意味が似たデータ同士に自動で分類
人は分類結果を見て名付けするだけ
 ※結果が綺麗じゃない場合は、最初に戻って分割数の指示を変える、絞込みをする、辞書登録をするなどのチューニングも勿論YOSHINA上で可能です。

NPSアンケートのテキストを使った改善施策検討をしたいけど、テキストの数え上げが大変・・・といった方にはお役立ちできると思いますので、ぜひこちらの製品サイトのフォームからご相談くださいませ。
※うちのNPSの分析を手伝ってほしい!といった分析委託のご相談も承っております。

最後に

ここまで読んでいただきありがとうございます。いかがでしたでしょうか?
読んで頂いた方に何かしらお役立ちできていたらうれしいです。

また、上記はあくまでも改善サイクルを1周した例です。
企業側がどんなに改善を続けても、常に新しいペインポイントは発生するため、
質の高い改善サイクルをどれだけ早く回せるか?が企業の競争力の源泉と考えております。とすれば顧客理解の解像度を高め、芯を捉えた改善サイクルを回すためにもテキストを使わない手はないと考えております。

ちょっとイメージ湧かない、データ数いくつあればいいの?など説明が足りない部分は多いかとは思いますが、ご不明点があればお気軽にHPからお問合せください!