コールセンターのデータ分析方法・ツールは?AI活用のメリット・事例も紹介

コールセンターの分析を行うと、オペレーターの対応品質だけではなく、サービスの質の向上にもつなげられます。

この記事では、コールセンターのデータを分析し、業務改善を図りたいと考えている人に向けて、コールセンターのデータ分析を行う目的、現状を分析する方法、活用できるツールについて解説します。

 

さらに、AIをコールセンター業務に活用するメリットやその事例も紹介します。コールセンターの分析を行い、業務改善に役立ててください。

 

 

コールセンターのデータ分析を行う目的とは?

コールセンターでデータ分析を行う目的にはどのようなものがあるか、次で詳しく解説します。

顧客のニーズ把握

コールセンターに届く顧客からの問い合わせ内容を分析することで、顧客のニーズを理解しやすくなります。たとえば、顧客の不満な点を分析していくと、どのようなニーズがあるのかなどを把握できます。

顧客の属性や傾向の把握

コールセンターのデータ分析を行うと、顧客の属性などのデータを把握できます。年齢や性別、住所、商品の購買内容、問い合わせ内容など、集積された情報を活用することで、的確なプロモーションを行いやすくなります。

商品・サービスの質向上

コールセンターからの情報によって、企業側では把握しきれなかったサービスの欠点や欠陥に気づく場合も多いです。これらの内容にいち早く対応することで、商品・サービスの品質向上や新製品開発などに活かせるうえに、顧客からの信頼にもつながるでしょう。

オペレーターの応答品質・業務効率の改善

オペレーターの対応内容や対応にかかった時間などがデータ化できるため、一人ひとりの評価にもつなげられます。これらを分析することで、オペレーターへのフィードバックや指導も行え、応答品質や業務改善にもよい影響があるでしょう。

コールセンターの現状を把握するための分析方法とは?

コールセンターの分析方法は、いくつかの方法があります。ここでは具体的な分析方法とそれぞれのメリットについて解説します。

KPI分析

KPI(Key Performance Indicators)分析とは、重要業績評価指標と訳され、定めた目標に対しその達成度などを評価する指標のことです。コールセンターの場合、平均処理時間やサービスレベル、応答率などが挙げられます。具体的に数値で表すため、課題となる点や業務改善効果などが明確に把握できることがメリットです。

 KPIが設定できていない場合、「顧客満足度の向上」のような具体性がない目標が立てられがちです。このような目標は達成できたかどうかがはっきりせず、業務改善につながりにくくなります。

 VOC分析

VOC(Voice of Customer)分析とは、コールセンターに届いた顧客の声をもとに、実際に業務改善につなげることです。現状のサービスの不満点やニーズを分析することで、商品やサービスの質の向上が期待できます。コールセンターでは特に顧客の声を集めやすいです。

ただし、VOCを集める手段はコールセンターだけではありません。アンケートなど他の収集手段も検討できると、より多角的な分析が行えます。 

会話内容の分析

コールセンターのオペレーターの会話内容を分析することで、オペレーターの対応内容が明確になります。特に重要なのが、会話の流れが適切か、わかりやすい回答になっているかの2つです。特定の項目ごとに会話内容をブロック化して管理すると、全体の会話の流れがわかりやすくなります。

 

この分析によって、わかりやすい表現のマニュアル化と冗長な表現のカットを行い、業務効率や対応品質の向上につなげられるでしょう。

コールセンターのデータ分析ツール

コールセンターのデータは情報量が多いため、効果的な分析ツールを使うことが大切です。ここでは、コールセンターのデータ分析ツールとそれぞれの特徴を紹介します。

Excel

コールセンターでは基本的に口頭でやり取りを行うため、データを分析するうえで、まずは数字を集めることが必要です。たとえば応対にかかった時間やオペレーターの在籍期間などの情報を収集し、Excelで表やグラフにすることで、それらを可視化し現状を分析できます。

Excelは多くのパソコンにインストールされているため、すぐ始められることがメリットです。また、Excelでは2つのデータの関係性を分析する相関分析も行え、その結果から客観的なデータを抽出できるため、業務改善につなげられます。

KPI分析ツール

KPI分析ツールとは、その名のとおりKPIを測定・分析できるツールで、コールセンターの情報を定量的に分析するのに役立ちます。コールセンターへの入電数や保留時間、平均対応時間などを効率的に収集できます。

そのため、コールセンター全体の業務傾向や個々のオペレーターの対応品質が可視化でき、業務改善につなげやすいことがメリットです。オペレーターへの負担をかけずに導入できることも魅力です。 

VOC分析ツール

VOC分析ツールとは、顧客の声を分析することに特化したツールです。コールセンターの場合は、内容のテキスト化、感情解析、時系列推移などの分析ができます。

客観的なデータとして顧客の情報を集められ、コールセンターだけではなく、会社全体に共有することも簡単です。そのため、VOCを活用した商品開発やサービスの改善を効率よく行えることがメリットです。

CRM

CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客関係管理と訳され、顧客のデータを集め、顧客関係の管理や改善に活用するツールです。コールセンターのシステムと連携させることで、たとえば、電話番号から自動検索し顧客情報を表示させる機能や、通話履歴と録音ファイルの一元管理する機能など、さまざまな機能を活用できます。

また、VOC分析ツールと連動させることで、VOCの情報の質をより高められることもメリットです。 

コールセンターシステム

コールセンターシステムとは、会話の録音機能や情報管理機能が搭載されたツールです。オペレーターの稼働状況や対応にかかる平均時間を一括管理し、それぞれの項目ごとに収集・解析することが可能です。さらにモニタリング機能などが活用できるのもメリットです。

先述したCRMや、問い合わせと同時に顧客情報を伝えるCTI(Computer Telephony Integration)、よくある質問と回答が検索できるFAQシステムなどもコールセンターシステムに含まれます。

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コールセンター業務へのAI活用でできること・メリットは?

ここでは、コールセンター業務にAI活用することでできることやメリットを解説します。

音声を自動解析・蓄積し品質向上につながる

AIの自然言語解析能力を活用することで、問い合わせ内容を自動解析したり、テキスト化してデータを蓄積したりすることが可能です。蓄積された情報はオペレーターのトレーニングにも活かすことができるほか、商品やサービスの品質向上にもつながります。

集積したデータを自動分類する

AIが通話内容から会話の全体像を把握し、分析や分類まで行えます。この機能により、データをみやすく管理でき、データ分析業務も効率よく実施できるでしょう。

FAQ機能で応答品質のムラをなくせる・新人教育に活かせる

マニュアルや過去のデータをAIに学習させることで、オペレーターが質問を入力すると最適な回答を表示できる、FAQ機能が活用できます。これにより、オペレーターの経験が浅くても、顧客の質問に対しすぐに対応ができ、オペレーター間の応答品質のムラをなくせます。顧客満足度の向上につながるほか、新人教育に活用できるでしょう。

 チャットボットでオペレーターに代わり対応できる

チャットボットとは、オペレーターを介さず、AIが顧客の対応を行うシステムです。この機能を使うことで、オペレーターの業務負担の軽減や人件費の削減効果が期待できます。24時間の対応も難なく対応できるため、顧客満足度の向上にも貢献するでしょう。

 コールセンター業務にAIを活用した事例

コールセンター業務にAIを活用することで、成功した事例として損保ジャパン日本興亜、レオパレス21の事例が挙げられます。次で詳しく解説します。

 損保ジャパン日本興亜の事例

損保ジャパン日本興亜では、2018年3月からコールセンターにAIを導入しました。オペレーターの通話内容を記録し、内容から最適化された回答を表示させるようになっています。音声認識の精度も導入時は80%ほどだったものが95%近くになり、回答候補の表示精度も80%を超えたと報告されています。将来的には自動通話対応の実現も視野に入れると発表しています。

※参考

コールセンターにおける人工知能(AI)の本格導入を実施~アドバイザーの支援機能を全国の拠点に導入するとともに、音声による自動通話対応を見据えた共同実験を開始~|損害保険ジャパン日本興亜株式会社

レオパレス21の事例

レオパレス21では2017年に全国で5つあるコールセンターの拠点にAIを導入しました。音声認識技術と感情解析技術が搭載され、顧客とのやり取りの全文テキストデータ化やFAQ検索機能なども活用しています。このシステムの導入により1年間で2,633時間の作業時間の削減、460万円のコスト削減効果が見込まれ、対応品質の向上や均一化が期待されています。

※参考

ニュースリリース|株式会社レオパレス21

まとめ

コールセンター分析を行う目的や分析方法、具体的なツール、導入するメリットや導入事例まで詳しく紹介しました。コールセンターの分析を行うことで、オペレーターの対応品質の向上だけではなく、商品やサービスの改善にもつながります。

 

株式会社レトリバでは、AIソリューションのプロフェッショナルが、自然言語処理AIを誰にでも使いやすい形で、課題解決に直結するプロダクトを提供しています。顧客の声など、テキストデータの分析を支援する製品から、コールセンターにまつわるソリューションを入口から出口まで提供するなど、大きく6つのジャンルでプロダクト展開しています。

コールセンター分析の導入を検討している人は、ぜひ問い合わせてみてください。

 

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