「消費者と真剣に向き合う企業を応援したい」 その想いを体現した、レトリバの新たな主力製品『YOSHINA』

自社の技術をより幅広く活用いただくために開発された、テキスト分析ツール『YOSHINA』

2020年6月のリリースから毎月のバージョンアップを経て、現在も進化し続けています。コンタクトセンターでの経験を通じ、企業のVOC(Voice of Customer)活用に課題を感じていたプロダクトマネージャー鷺坂文野が『YOSHINA』に込めた想いをご紹介します。

 

YOSHINA事業部 プロダクトマネージャー 鷺坂 文野 プロフィール

コンタクトセンターにて受電現場から運営にかかる本社業務まで全般を経験。一方で、社内のさまざまなIT業務の導入・構築・運用化までの立ち上げ、実際に寄せられる声の分析・改善提案・社内展開などの活動に注力。企業が社員や顧客の声を最大限に吸い上げて改善していけるよう、AIやITシステムの導入・運用・社内展開時におけるシステムだけでは解決できないお悩みを解決すべく、2018年にレトリバに参画。「ちっちゃなことから世の中に活力を」をモットーに『YOSHINA』プロダクトマネージャーとして日々奮闘中。

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自然言語処理技術を活かした新たなパッケージ製品を

——『YOSHINA』事業における鷺坂さんの役割を教えてください。

 現在『YOSHINA』の開発に携わっているのは約15名で、私はプロダクトマネージャーとして事業を取りまとめています。ロードマップ作成や要件定義、進捗管理、アルゴリズム実験、デザインなど、開発全般に関わっています。

——『YOSHINA』を開発することになった経緯をお聞かせいただけますでしょうか。

 弊社はもともとAI技術を活用したエンジンを主力製品としていました。ただ、お客様に使っていただくにはエンジンを組み込むためのリソースやコストが必要。その課題を解決し、自社製品を検討・活用いただける可能性を広げたいという考えから、パッケージ製品の開発に着手することになったんです。

 弊社の強みである自然言語処理技術を活かして「テキスト分析」に関わる製品を作ろうと考えたとき、真っ先に着目したのは顧客の声、つまりVOC。弊社は以前からコンタクトセンター向けのソリューションを持っており、VOCをテキストデータに変換するシステムはあっても、それを活用するところまでは行きついていない、という企業側の課題を知っていました。そこでVOC分析システムという方向性に固まりました。

——鷺坂さんはもともと新規事業の担当だったのですか?

 いえ、以前はエンジンを使った検証などの顧客提案業務に携わっていました。『YOSHINA』の企画が立ち上がった頃はコンサルタントの立場だったのですが、その後マネージャーを任されることに。エンジニアと一緒にシステムを開発するのは初めての経験だったので、最初は苦労しましたね。当時の開発リーダーを始め、開発メンバーがバックアップしてくれたおかげでマネージャーとして成長できました。

——レトリバに入社する前はコンタクトセンターの仕事をされていたそうですね。

はい。コンタクトセンターを持つ企業にて顧客の声の分析を担当していました。私たちがいま提供しているようなツールの利用者側の立場だったんです。

 消費者が製品やサービスを選べる時代になり、企業はもっと選ばれるための努力をしないといけない。ですが、テキスト分析自体の難しさや、企業の中で既に取り組むタスクがある他部署への施策提案を進めることの難しさなどから、VOCが反映しにくい現状を目の当たりにしてきました。ツールを導入しても難易度が高すぎて、使える人を新たに採用・育成しなければなりませんし、提案したVOCの改善施策が進捗しにくい状況だと、活用できるはずのVOCが活用されない。

 そういった環境を少しでもよくしたい、消費者と真剣に向き合おうとしている企業や社員を技術や仕組みで解決したい。そうした想いがあり、レトリバにジョインしました。

 

「分析は難しい」というマイナス体験をなくす

——『YOSHINA』の特徴を教えてください。

 テキスト分析では、テキストデータを「分類」するという工程があります。データをどのようなルールで、どのようなカテゴリに振り分けるのか。従来のテキスト分析ツールでは主に人間が分類を行なっていましたが、『YOSHINA』はAIが自動で分類を行ないます。弊社の自然言語処理の技術を活かし、専門知識がなくともテキスト分析が実施できるアウトプットを目指しました。

 2020年6月にリリースして、それ以降は月1回のペースでバージョンアップしているのですが、以前は機能を充実させることを最優先していました。VOCを扱い慣れているクライアントや必要なシステムを理解しているクライアントとのお取引が多かったので、機能が充実している=使えるシステムだと思っていたんです。

 ですが、これからVOC分析をきちんと活用頂くためには、「分析ってどうやるの?」「難しいんでしょ?」「それでどうすればいいの?」というマイナス体験をなくすことが重要です。分析を知らない人に、これまで作ってきた機能をいかに考えずに使ってもらうか。誰でも時間をかけずに分析ができて、社内展開ができる、簡単にVOCを活用できる仕組みをいかに構築するか。いかに分析の流れをシステム上で提供できるか。今後はそこを重視しつつ、また技術の会社として自然言語処理の根幹のロジックにもっと手を入れていきたいと考えています。

——マーケティングや販売先など、開発以外でこだわった点はありますか?

「VOCを扱っている方」をターゲットとして想定してはいましたが、部署でのターゲティングができないという課題がありました。コンタクトセンター・企画・開発・マーケティング・システム部門などさまざまな立場の人がいるからです。

 一方で、たとえばニーズが明確にあるコンタクトセンター部門にターゲットを絞ったとしても、企業全体を巻き込んでVOC活用を進めていただかなければ商品・サービス改善まではたどり着きません。『YOSHINA』の将来を考えたとき、ターゲットを細かく決めると成長が止まってしまう不安もありました。

 ですので、マーケティングのセオリーからは外れますが、あえて部署でターゲティングしなかったのはこだわった部分です。目の前の目標や順序はもちろん考えますが、最終的にはVOCを必要とするすべての方に使っていただくことが理想です。

——現在の導入先はどういった業種・規模の企業が多いですか?

 リリース直後は大手企業が中心でしたが、最近は中小企業も増えてきています。業種はコンタクトセンターやBPOサービスの会社、営業代行会社、システムのメーカーなどさまざま。B to CだけでなくB to Bの企業にも導入いただいています。いまはカスタマーケアが重視される時代なので、あらゆる業種にニーズがあるのではないかと思います。

 

ちっちゃなことから世の中に活力を

——プロダクトマネージャー就任当初とくらべて、ご自身で変化したと感じることはありますか?

 人に任せられるようになったのが大きな変化だと思います。実は「言葉」の違い、に一番苦労しました。経歴や出身地などの文化の違いから、「言葉」のニュアンスやイメージする内容が微妙に違う、といったことから開発当初は双方の手戻りも多く、リリース間際にチーム総出で間に合わせる、といったこともありました。どうしたら同じ目線で進められるのか、これまでは全員野球の状態でしたが、YOSHINAの成長とともに、各チームもそれぞれの役割が明確になりました。各メンバーそれぞれがどうやっていったらいいのか、自分だけではなく、YOSHINA開発チームにとってよりよい方法を考えて、いまでは隣どころか私より前に出て引っ張ってくれる人が何人もいます。「信頼して任せる」というマネージャーの大切な役割に気づかせてくれたみんなには感謝しています。

——最後に、『YOSHINA』を通じて鷺坂さんが描くビジョンについてお聞かせください。

 弊社はITメーカーですが、私の根底にあるのは「世の中をよくしたい」という想い。「ちっちゃなことから世の中に活力を」というモットーを掲げて、バタフライ・エフェクトのように最終的には大きなインパクトにつながることを信じて仕事をしています。『YOSHINA』という製品を通じて、世の中の人びとの幸せに少しでも貢献できれば嬉しいです。

 

yoshina.retrieva.jp